七ふくたいむず2024 12月
-
24.12.26
今月はビタミンの基礎知識について解説しました。
ビタミンは私たちの健康を支える重要な栄養素であり、体内の産生だけでは不十分であるため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。
ビタミンC、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンAについて、七ふくたいむずの内容からさらに詳しく解説していきます。
脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの違いについて
-
脂溶性ビタミン(A, D, E, K): 油に溶ける性質があり、体内に蓄積されやすい。そのため、過剰摂取には注意が必要。
-
水溶性ビタミン(C, B群): 水に溶けるため、過剰分は尿から排出される。ただし、毎日継続的に摂取する必要がある。
1. ビタミンC
特性:水溶性ビタミン
-
役割: コラーゲンの生成を助け、免疫機能を強化します。また、抗酸化作用により、細胞の老化やダメージを防ぎます。
-
相性の良い栄養素: 鉄分の吸収を助けるため、鉄分が豊富な食品(赤身肉、ほうれん草)と一緒に摂取すると効果的です。
-
欠乏症: 壊血病(歯茎の出血、皮膚の斑点など)
-
過剰摂取: 一般的には尿から排出されますが、大量摂取で胃腸障害や下痢を引き起こすことがあります。
-
多く含まれる食品: 柑橘類(オレンジ、レモン)、キウイ、イチゴ、ピーマン、ブロッコリー
-
サプリメント使用時の注意点: 高濃度のビタミンCサプリを摂取する場合、胃の不快感を感じることがあるため、分割して摂取することをおすすめします。
2. ビタミンB群
特性:水溶性ビタミン
-
役割: エネルギー代謝を促進し、神経機能や血液の生成をサポートします。ビタミンB1、B2、B6、B12など複数種類があります。
-
相性の良い栄養素: 糖質(ビタミンB1)、脂質(ビタミンB2)、タンパク質(ビタミンB6)の代謝を助けるため、これらを含む食事と組み合わせることで効果があります。
-
欠乏症: 疲労感、貧血、神経障害(特にビタミンB12欠乏時)
-
過剰摂取: 一部の種類では神経毒性が報告されていますが、通常の食事では過剰症は稀です。
-
多く含まれる食品: 肉類(特にレバー)、魚、卵、乳製品、豆類、全粒穀物
-
サプリメント使用時の注意点: 他のビタミンB群とのバランスを保つことが重要です。単一のビタミンだけを過剰に摂取しないよう注意してください。
3. ビタミンD
特性:脂溶性ビタミン
-
役割: カルシウムとリンの吸収を助け、骨や歯を健康に保ちます。また、免疫機能の調整にも寄与します。
-
相性の良い栄養素: カルシウムやマグネシウムと一緒に摂取することで、骨の健康をさらに向上させます。
-
欠乏症: 骨粗しょう症、くる病(子供の場合)
-
過剰摂取: 高カルシウム血症を引き起こし、腎臓や心臓に影響を及ぼす可能性があります。
-
多く含まれる食品: 魚(サケ、サバ)、卵黄、きのこ(特に日光を浴びたもの)
-
サプリメント使用時の注意点: 過剰摂取は毒性を引き起こす可能性があるため、医師の指導のもと適切な量を摂取してください。
4. ビタミンA
特性:脂溶性ビタミン
-
役割: 視力の維持、皮膚や粘膜の健康、免疫機能の強化に寄与します。
-
相性の良い栄養素: 脂質と一緒に摂取することで吸収率が高まります(例: オリーブオイルやナッツ類と一緒に摂取)。
-
欠乏症: 夜盲症、皮膚の乾燥、免疫力の低下
-
過剰摂取: 肝臓に負担をかけ、頭痛、吐き気、骨の異常を引き起こすことがあります。妊娠中の過剰摂取は胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
-
多く含まれる食品: レバー、卵黄、乳製品、緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草)
-
サプリメント使用時の注意点: 妊婦は特に過剰摂取を避ける必要があります。推奨摂取量を超えないよう気をつけましょう。
まとめ
ビタミンは適切な量を摂取することで、健康を維持し、病気を予防する効果があります。
しかし、サプリメントを利用する際は、過剰摂取やバランスを欠くことが健康被害につながる可能性があるため注意が必要です。
当院でもサプリメントを治療の一環で使用することがありますが、基本的には栄養価の高い食品を中心にした食事を心がけ、必要に応じて専門家に相談しながらサプリメントを活用してください。
管理栄養士による栄養指導なども可能ですので、興味がある方や、食事や栄養に不安がある方は診察の際にお声掛けください。
-