七ふくたいむず2025 6月

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七ふくたいむず2025 6月

  • 25.06.30

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    慢性腎臓病の患者は徐々に増えており、約1300万人を超えていると推計されています。

    慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が徐々に低下していく病気で、進行すると人工透析が必要になることもあります。

    腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま病気が進行してしまうことがあります。そのため、気づいたときにはすでに腎機能がかなり低下していたというケースも少なくありません。

    腎臓の大切な役割

    腎臓の主な働きは、体内の老廃物を尿として排出すること水分や電解質(ナトリウム、カリウムなど)のバランスを保つこと、そして血圧の調整や赤血球をつくるホルモンの分泌など、多岐にわたります。

    このような重要な働きをしている腎臓ですが、加齢や病気、生活習慣の乱れによって機能が低下すると、全身にさまざまな悪影響が現れるようになります。

    CKDの原因の多くは「生活習慣病」

    慢性腎臓病の原因で特に多いのが、高血圧糖尿病です。いずれも代表的な生活習慣病であり、これらの病気が長年にわたって腎臓に負担をかけ、少しずつ腎機能を損なっていきます。

    また、メタボリックシンドロームや脂質異常症なども腎臓病のリスクを高めることが知られています。つまり、CKDは生活習慣の影響を強く受ける病気なのです。

    検査でわかる腎臓の状態「eGFR」

    腎機能を評価する指標として、最近ではeGFR(推算糸球体濾過量)という数値がよく使われます。これは、血液中のクレアチニン値などから計算されるもので、健康な人では90以上が一般的です。

    eGFRが60未満になるとCKDと診断され、さらに数値が下がると透析が必要となるリスクも高まります。

    定期的な血液検査で、自分のeGFRを知っておくことが腎臓を守る第一歩になります。

    食事と運動で腎臓を守る

    CKDの進行を防ぐためには、食事と運動の見直しが重要です。

    まず食事についてですが、「腎臓病=たんぱく質を控える」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。

    しかし、必要以上にたんぱく質を制限すると筋力や体力が低下するリスクもあります。

    大切なのは、「適切なたんぱく摂取」と「バランスのよい食事」を心がけることです。

    特に、塩分の摂りすぎは高血圧を悪化させ、腎臓に負担をかけます

    加工食品や外食を控え、できるだけ薄味にする工夫が必要です。

    また、腎機能に応じた栄養指導を受けることも非常に有効です。当院でも管理栄養士による栄養相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。

    運動については、週に3~5回程度の有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)が推奨されています。

    運動は血圧や血糖のコントロールに役立ち、結果として腎臓の負担を軽減します。無理なく継続できる範囲で、日常に取り入れてみましょう。

    透析を防ぐために、今からできること

    CKDが進行し、腎機能が著しく低下すると、人工透析という治療が必要になることがあります。透析は生命維持には不可欠な治療ですが、週3回数時間にわたって行う必要があり、生活への影響も大きくなります。

    そのため、できるだけ透析を回避するためにも、早期発見と生活習慣の見直しが極めて重要です。CKDは一度発症すると完全に治すことは難しいですが、進行を遅らせることは十分可能です。

    最後に~自分の腎臓を守る意識を持とう

    腎臓は毎日黙々と働いてくれている、ありがたい臓器です。しかし、具合が悪くなっても気づきにくく、手遅れになることもあるため、早いうちからの予防意識が大切です。

    高血圧や糖尿病などの持病がある方はもちろん、健康な方でも定期的な健康診断でeGFRをチェックし、腎臓にやさしい生活を心がけていただきたいと思います。

    当クリニックでは、腎臓の健康に関する相談、食事指導、運動アドバイスなど、トータルでサポートを行っています。気になることがあれば、どうぞお気軽にお声がけください。

    「腎臓を守ることは、未来の自分を守ること」
    今日からできる小さな一歩を、一緒に始めましょう。

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